母親になんてなりたくなかった3
母親になりたくない。というか自分の母親のようにはなりたくなかった。
今日も母親にイライラした。
昔からどれだけわたしが悩んでいても力になってくれたことはなかった。いい母親だと思ったことはない。
悩むのはわたしの考え方が悪い、わたしが変わらなくてはいけない。そう否定され続けた。
気分屋な母親だから、小さい頃は母親の顔色を伺っていた。
わたしには下に兄弟がいる。
長女だからといつもしっかりしなさいと言われてきた。下がどれだけ悪くても「おねえちゃんでしょ!」と怒鳴られ叩かれる。
だんだん「全部自分が悪い。怒られる前に謝ろう。」と思うようになり、大人になってからはずっと謝ってばかりな気がする。自分が悪くなくても、ありがとうと言うべき場面でも、先にごめんなさい、すみませんが自然に出てしまう。
育て方というのは本当に大切だと思う。
母親はストレスを溜めないというか、気にしない性格だ。そして自分が正しいと思っている。いつだって自分がいちばん。周りがどう思おうが関係ない。そうやって図々しく生きていけるのが少し羨ましい。
子育てについても考えは合わない。
わたしなりに頑張ってやっていても小言を言われる。
わたしの気持ちなんてわかってくれない。
昨日今日と子と離れひとりで部屋に篭もっている。子の泣き声を聞くのもうんざり、母親がわたしの子を抱いている姿を見るのも嫌だった。わたしの子に触れないでほしい。それなのに子から離れたい。訳の分からない状況、気持ちはぐちゃぐちゃになっていた。
今日は母親が外出する予定で、母親がいない間、わたしは子を抱いた。
子はわたしにしがみつくようにくっつき、わたしの胸に顔を擦り付けるようにして甘えるような仕草を見せた。まだ0歳児だというのに。
わたしのことがわかるのだろうか。
ミルクを飲む間も何度もわたしの目をじっと見つめていた。いつもは眠ってしまい、あまり目を開けていないのに。飲み終わるまでまっすぐ目を見つめていた。
しばらく子を抱いて寝顔を見ていた。
こうして大人しくしているときはかわいい。
母親が帰ってきたから子を寝かしつけわたしは部屋へ。
わたし自身まだまだ子どもだ。
子を育てる器ではない。
母親のことを許せない。