日陰生活

どこにも誰にも言えないからここに書いておきます

母親になんてなりたくなかった5

わたしにとっての幸せってなんだろうか。


仕事を頑張ってお給料貰うこと。

お金を貯めて趣味に使うこと。

自分が楽しいと思うことをする、それが幸せ。


あまり人のことを考えられない。

一人が好き。一人の時間がないと生きていけない。一人の時間が幸せ。


結婚してからも一人になる時間はたくさんあった。夫も理解してくれた。一人で出かけることも許してくれた。


コロナになってからはそうは行かなかった。ずっと二人でいた。仕事の行き帰りと休憩ぐらいが一人の時間だった。それからすぐに妊娠が発覚。もう自分の時間はないんだなと悲しくなった。

妊娠中は体調が悪く外出などできなかった。家で寝ているしかできなくて辛かった。げっぷと吐き気が止まらない。食べられない。吐いてしまう。身体中痛み。貧血で立っていられず転んだこともあった。これまで普通にできていたことが全くできなくなり自分が自分でないみたいだった。悪阻はこんなに酷いものか。想像以上だった。


妊娠初期の辛さは周りには理解されない。お腹が大きくないから妊婦だと思われない。電車の優先席は妊婦の席ではない。一般的には高齢の方や身体に障害がある方、怪我をしている方に譲るもの、なんだろう。妊婦はあまり優先度が高くない。中には罵声を浴びせる人もいると聞く。

妊婦だから席を譲ってくれなんて思わないが、吐き気が来ると座って落ち着きたかった。電車の中は誰も助けてくれない。みんなスマホに夢中だ。耐えきれず途中下車してホームで吐いたこともあった。もちろん誰も助けてくれない。


妊娠がこんなに辛いならもう死んでしまいたいとさえ思った。大体は悪阻は初期で終わると言われていたが終わってくれなかった。お腹が大きくなり、別のしんどさが現れ、それに加えて悪阻の症状。半年近く体調不良が続いた。頭は元気でやりたいことはたくさん思い浮かぶのに何もできない。悔しくて仕方なかった。


産まれた今も子育てに時間を取られ自分の時間がない。やりたい事などほとんどできない。一人の時間がほしい。何も考えず一人になりたい。泣き声を聞かず、授乳の時間も気にせず、一人で好きなことをしたい。旅行は厳しいにしても近所を散歩をしたり、本を読んだり。仕事にも戻りたい。


夫と暮らす地には親族がいない。お互い縁もゆかりもない地で生活している。夫の仕事の都合で引っ越した。わたしは反対した。わたしにも仕事があったからだ。だから言ったんだ。結局子を産んで苦労することになるのはわたし。「(わたし)のことを考えて転職したい」そう言ってくれたのに、結局自分のことしか考えていない。


出産の時は里帰りをした。里帰りしたら少しは自分の時間があるだろうと思ったが、そんな時間はなかった。母親の古い考えにいらいらする。わたしが悪いみたいな言い方をされたり。もう母親にも頼りたくない。


わたしは誰のために生きているのだろうか。自分のためとは思えない。人のことを気にして生きている。自分がこうしたいと思った方に進んでいない。誰かが指示する方にしか進んでいない。わたしはこんな人生でいいのだろうか。幸せなんだろうか。